さてみなさん、昨日の「相棒」はご覧になったでしょうか? 若い方の中には、あんなドラマだせえ! とか思っていらっしゃる方もおられるかもしれません。そんな中、僕は毎週かかさず観ているので、昨日ももれなく観ました。ただ、今回はいつもとは一味違うモチベーションで臨みました。
それはなぜかとたずねたら、朝刊のテレビ欄でまことに有り得ない名前を目にしたからであります。ミ・イ・ケ・タ・カ・シ? って、あの三池崇史!? 現代の日本映画界でヴァイオレンスの頂に到達し、近頃は時代劇も撮っている。もしかして、芹沢刑事役の山中崇史の間違いちゃいますのん? と思い調べてみると、まさかのまさかで三池崇史監督が出演されるというのです! 晴天の霹靂!
やっぱり、「相棒」良いですね。絶妙なユーモアセンスと適度にスタイリッシュな演出、そして、なだれ込むように謎が解けていくカタルシス。これが、凡百の中高年向け娯楽ドラマと一線を画している要因なのではないでしょうか。そら、坂本龍一さんもフェイバリットにあげますわな。そういえば、昨年の「一命」の音楽を担当されたのも坂本龍一さんでしたよね。三池さんも「相棒」をちゃんと評価しているから、今回の出演に至ったんじゃないでしょうか。
当たり前ですけど、やっぱり三池さんは三池さんですね~。ちゃんと俳優さんとして見ることは出来たんですけど、思わず吹き出しちゃいましたよ。あまりに役にはまっていて。出演シーンはほんの少しだったのに、その存在感たるや! なんか「アジアの純真」の時の若松孝二監督みたいですね。ただ、杉下右京との共演が叶わなかったのが残念です。
そもそも、「相棒」を観始めたのはseason9からで、まだまだ初心者なんですけど、そのきっかけはやっぱりキャスティングの妙なんですよね。初めて観たのは「ボーダーライン」という回で、その時にはゲストで山本浩司さんが出演されていたんですよ。なんとも悲劇的で、ただ、彼が演じることで喜劇とも思える内容で、文句なしの出来でした。そんなことがあって、「相棒」に興味をもち始めたのです。この作品に出会っていなければ、役者としての水谷豊さんの素晴らしさに一生気付いていなかったかもしれません。
あとは、それぞれのキャラクターが素晴らしいんですよね。やっぱり、水谷豊さん演じる杉下右京がベストだと思うんですけど、おすすめは神保悟志さん演じる大河内春樹です。彼は警務部の首席監察官という設定で、昨日はしていなかったのですが、よくラムネを食べています。そして、彼はジェンダーにおけるマイノリティーでもあります。このことが、今の時代を良く反映していて、また、強烈なアクセントになっています。
作品は変わるんですけど、映画監督でいうと塚本晋也監督も「カーネーション」に出ていました。専門学校の原口先生という人物を演じていて、人柄の良さが伝わってきます。さすがに三池監督には負けますが、それでも存在感は十分です。物語のキーマンになっています。それにしても、次女・直子を演じる川崎亜沙美という女優さん、コシノジュンコさんにそっくりですね。特にメークをほどこしたら瓜ふたつです。
来週の「相棒」はお休みだそうですが、次回はあの陣川警部補が出るらしいですね。しかも、父親になるって! 「カーネーション」は明日もあるので、楽しみです。それにしても、映画監督を役者として起用するのは最近の流行りなんですかね? 山下監督も、ドラマと映画両方の「モテキ」に出ていましたし。そういうのって面白いと思います。
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